【本】その犬の名を誰も知らない
タロ・ジロの2頭のことは知っていても、もう1頭の犬のことは知られていません。
帯から引用します。
「だれもが、昭和基地で生きていた犬はタロとジロだけだと思っています。ところが本当は違う。もう一頭、生きていたんです」
タロジロの奇跡から六○年。封印された "第三の犬" の正体をめぐる真実の南極物語。
「その犬の名を誰も知らない」は2/20発売です。
ちなみに、映画「南極物語」はAmazonプライムで視聴可能です。(我が家はプライム会員ではないので見られませんが…)
この本を読む前に「南極物語」を観るとより物語を追うのが充実したものになると思います。
ダ・ヴィンチでもレビュー記事がUPされています。
機会があって、ダイジェスト版であるプルーフ本を読みました。
この本は新聞記者である嘉悦さんが第一次南極越冬隊で犬係でもあった北村先生からの丹念な聴き取りを元に構成されています。
不慮の事故で障害を負ってもなお、話をしながら検証する研究者としての姿勢は衰えるどころか、ありし日の姿が浮かびます。何かに夢中になることでひとはいくつになってもできることがあるのだと思います。
この聴き取りにより徐々に記憶がよみがえり、かつて犬係として昭和基地のカラフト犬を観察していたこと、それらから "第三の犬" を検証してゆきます。ミステリーを読んでいる気分にもなりました。
半世紀以上も埋もれていた歴史の真実が解き明かされていくにあたっては、一見回り道と思えることもありますが、結論導き出すためには必要な回り道もあり、論理展開・研究とはこういうことでもあるのだと教えていただいているようでした。
動物や冒険、ミステリーや謎解き、ノンフィクションが好きな方には特に心にささる物語でもあると思います。