べぇべぇ
今週のお題「方言」
首都と呼ばれる都市の郊外で育った。
父は九州の出身で、母はその郊外より更に山深い市の出身だった。
父は特に訛りはなく、ほぼ標準語を話す。
母もほとんど標準語だが、たまに出身地特有の言葉が出る。
母方の祖母は、江戸っ子ではないのにどちらかというとべらんめえ口調で、若干の訛りがあった。
とはいっても、全く意味のわからない言葉はほとんどない。
その中で、「田舎っぽい」とされる語尾に「べぇ」をつけるものがあったそうだ。祖母もたまにそういう話し方をしていた。以前ほどではなくなったと言いながら。
そんな祖母の昔話のひとつがとても好きだ。
むかし、その田舎っぽいと言われてしまう「べぇ」を止めよう運動があったそうだ。
それを皮肉って「べぇべぇ言葉はやめましょう。なべやつるべはどうすんべぇ」と言った人がいたそうな。
とんちもきいていて、しかも結局「べぇ」が語尾についている。
何か押し付けられることがあっても、こんな風に笑いに昇華させるなんてとても粋だと思う。