【雑記】お金の話(資産形成とは)
友人や同僚と、ひとによっては家族とも、なかなかしづらいことのひとつがお金の話です。
そんなお金、資産形成について、Twitterのスペースで先日お話しました。
(聴衆は、主にこれから中高生となるお子さんをお持ちの方々とのことで、教育資金やその後の資金計画についてを中心に、今まであまりお金について考えてこなかったものと想定して、当たり前かもしれないこともお話したつもりです)
『お金についての専門家でも、金融機関勤めでもなく、FP(ファイナンシャルプランナー)などの資格もなく、ただの "いち投資家" です』とお断りしたうえでお話しました。
そのときの概要を記載します。
私はファイナンシャルプランナーでも金融機関の関係者でもないので、お金についてのアドバイスはしてはいけないことになっています。
ですので、投資などのおすすめや「こうすべき」というお話ではありません。
ただ、これからお話する普段しづらいお金のことで、皆さんの何かの参考になれば嬉しいです。
このお話をお聞きの皆さんは、おそらくそれほど金銭面で不安を抱えてはいないと思いますが、この先思いもよらないことが起きないとも限りません。
例えば、現時点では収入に不安がなかったとしても、コロナ禍において大きな異変があったように、現在の収入が続かなくなる場合も考えられます。
人生100年時代と言われる中、子どもが巣立ったあと、老後の年金や生活費が足りなくなるなどして、資産が底をついてしまわないよう考えておくことは非常に大事だと思います。また、それ以前に(お子さんが)受験をして志望校に合格したは良いが、その後通い続けることが難しくなってしまうこともあるかもしれません。
私が資産運用が必要と意識したのは老後資金もそうですが、祖母がかつて嘆いたことが印象に残っているからでもあります。
私の母は戦後のベビーブームに生まれました。祖母は母の高校進学に備えて預金していました。ですが、母が高校進学した際には急激なインフレでその預金の価値は下がってしまっていたのです。高校進学と通学に十分な余裕を持たせるはずが、進学準備の一部しかまかなえなかったそうです。
長期間で見れば、経済全体では成長してゆくことが過去の事例から明らかです。ただし、一律右肩上がりではなく、上がったり下がったりを繰り返してゆきながら成長してゆきます。
そうした性質上、数か月・数年先に確実に必要なことがわかっているお金を資産運用することは、おすすめできません。資産形成は一獲千金を狙うギャンブルではありません。
元手も時間もなくいきなり大金を得ることはほぼ不可能です。あるとすれば、相当大きなリスクと引き換えだったり、ギャンブルや犯罪行為かもしれません。
少なくとも向こう数年の予定されている支出は預金で備えておくものと考えます。
投資で資産運用している方の中には、教育資金を運用することに否定的な方もいます。
もし、お子さんが小さいうちからの教育資産運用を考えるとすると、大学進学資金になるでしょうか。それでもそのときに2008年のリーマンショックのような大きな下落がないとも限りません。投資は預金と異なり元本保証ではないので、元本割れもあり得ます。
日本のバブル期といわれたころは、10年預金していれば元金の倍になりました。今や、銀行の定期預金の利息はほとんどないに等しいです。
それと同じく、かつては生命保険が貯蓄がわりになっていた時代もありました。過去できたことが今も有効であるとは限りません。
資産運用を始めるにあたっては、まず支出の見直しが必要です。しっかり管理できている方には釈迦に説法となりますが、意外と "なんとなく使ってしまっているお金" があるものです。
サブスクリプションサービスなどの月々数百円でも、それら複数の契約を年単位でみると「意外と使っているな」と思うかもしれません。社会保険料など年々負担が多くなってゆく支出もありますが、企業努力で従来よりもよいものを安く利用できる場合もあります。毎月毎年の収入をすべて使ってしまうのでは、一生働かねばならないことになりますし、一生働けるという保証はどこにもありません。定年前に、病気やケガなどで一時的に働けなくなるかもしれません。
会社勤めで仮に人生が90年で65歳まで働くと仮定すると、会社で働く期間と同じくらいの期間が退職リタイア後もあるわけです。その後も働き続けて生涯年収を増やす方法もあります。
「収入を増やす」「資産を守る」というと節約や副業をイメージされる方もいると思います。それも数ある方法の一部ですが、知らないだけで実質収入を増やす方法があるかもしれません。
勤務先の福利厚生などの制度を上手に利用することでも実質収入が増えると言えます。
なるべく病気にならないよう健康的な生活を送り定年まで働く、育児や介護に関する休暇を利用する、主に女性のブランクによる生涯年収の大幅減額を回避する…など。
私は、福利厚生など会社の制度はよく確認して有効に使わせてもらっています。付与される福利厚生ポイントは、割増のある子育て関連に充当しています。
保険を一律否定はしませんが、本当に必要な保障に対しての保険か、それぞれの契約で重複していないか、今求めている保障と合っているかなど、節目節目で都度見直しをした方がよいと思います。
健康保険には高額療養費制度があり、一定金額以上は支払いが免除され、数か月後に還付されます。病院への支払時に免除を受けるためには、加入健保で限度額適用認定証を発行してもらえます。それでも健康保険のおかげで、実際の支払額は3割未満の金額となります。一時的に支払うための貯蓄があると安心です。健康保険に限りませんが、こうした制度を知っていると知らないでは大きな違いがあると思います。
制度を知らないと「万一の病気やケガで数百万円が必要になるから保険で備えたい」と思うかもしれません。これが制度を知っていれば、「万一の病気やケガがあっても一時的な出費で済むから、そのための準備として貯金しておこう」になるかもしれません。
資産運用として非課税で運用できるのが、iDeCo(確定拠出型年金)やNISA(一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA)です。
ジュニアNISAは2023年で廃止が決まっています。(生前贈与非課税とは異なり、子名義の口座を用いた投機的な使われ方が目立ち、本来の長期の資産形成として使われなかったためとも言われています)
なお、本人以外の名義で株主となって株主優待などを受けるのは "仮名取引" と言って禁止されています。
口座名義人とその口座で行われる取引の効果帰属者が一致しない取引のこと。例えば、顧客が架空名義あるいは他人の名義を使用してその取引の法的効果を得ようとする取引をいう。自主規制規則においては、証券会社が顧客の取引が仮名取引であることを知りながら受託することを禁止している。
いくつか質問いただきました。(記憶の範囲内ですが記載します)
- Q&A
Q:「証券口座開設するならどこがよいか?」
A:「銀行ではなくネット証券。そのうち、SBI証券か楽天証券がよい。投資商品の取扱数において圧倒的。銀行はお金の動きを把握されて営業をかけられる可能性あり」
⇒実際に銀行でNISA口座開設しても買付できる投信は限られています。
つみたてNISAの取扱い本数を見ると、みずほ銀行5本、りそな銀行4本、三井住友銀行3本、新生銀行3本など、下位にいけばいくほどやる気のなさを具体的に示していて、とても分かりやすいと思います。
— カン・チュンド (インデックス投資アドバイザー) (@4649kang) 2021年7月14日
対象商品数一覧 | モーニングスター つみたてNISA (積立NISA) 総合ガイド https://t.co/GQyFcyosmk
Q:「証券口座で源泉徴収あり・なしはどちらを選択すればよいか」
A:「源泉徴収あり」
Q:「簡単に家計を把握する方法はないか?」
A:「家計管理アプリの利用や、用途別に使うショッピングモールを分けるなど、使い方と工夫次第」
⇒細かく袋分けするなどの管理だと大変で続かないひともいるので、簡単に支出が把握できる自分にあった方法を続けることが大事。ATMから1万円おろしたつもりで9千円で過ごすのもあり。
投資する商品(投資信託)についてはあまりお話できませんでしたが、直接〇〇社の株式を買うよりも投資信託が少ない金額(100円~)でできる、株券は紙くず(現在は実際の紙ではないですが)になる可能性もあります、とだけはお話しました。
それは「卵はひとつのかごに盛るな」という格言からです。
投資信託を選ぶときの参考にどうぞ。
その他、お金のことを知りたい初心者向けの本リストはこちら。(私の個人的なおすすめリストです)
上記記事内の「お金は寝かせて増やしなさい」の著者 水瀬ケンイチさんのたまひよ連載でも資産形成についてのやさしい解説が読めます。
※本記事は、投資のリターン等の保証をするものではありません。投資はご自身にて判断してください。