ほんのひとさじ

ゆるゆる過ごす日々と投資の記録

インデックス投資ナイト2019に参加

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登壇者の皆様のフォトセッション

インデックス投資家のみなさんが集まるイベント「インデックス投資ナイト」(於:渋谷東京カルチャーカルチャー)に、去年に続き2回目の参加です。

去年、内容書き起こしをしていた青井さんは今回登壇されており、すべて網羅できていないとのことですが、それでも去年と同じくかなり詳細なブログを早速UPされています。

sindanindex.com

追記:実行委員のおひとりの水瀬ケンイチさんからこのブログ記事へリンクしていただきました。ありがとうございます!
ほかのかたの参加記事もたくさんリンクされています。

randomwalker.blog19.fc2.com

 

去年はお上りさん気分で感想を書きました。今回は二回目の参加、そして、1月の Fund of the Year に参加したこともあり、顔見知りの方が複数あり、去年の初参加時の場違いな感覚や不安感はなく参加できました。ただ、新鮮味は薄れていました。

インデックス投資ナイト2019の内容はこちらです。

【第一部「インデックス投資の生みの親 John C. Bogle氏追悼」】

<登壇者>
・塚本俊太郎氏(バンガード・インベストメンツ・ジャパン 投資戦略部長)
・今井利友氏(総務企画局 政策課 総合政策室 金融税制調整官)
・田村正之氏(日本経済新聞社 編集委員兼紙面解説委員)
・水瀬ケンイチ氏(インデックス投資ブロガー)
・司会 イーノ・ジュンイチ氏

【第二部 投資ブロガー座談会「若手投資ブロガーさん、集まれ!!」】

<登壇者>
・シオイ氏(投資ブロガー)
・青井ノボル氏(投資ブロガー)
・柴崎シュンスケ氏(投資ブロガー)
・ザリガニ氏(投資ブロガー)
・司会 カン・チュンド氏(しんようFPオフィス)

【第三部 ゲスト座談会「なぜインデックス投資は広まらないのか?日本のインデックス投資の未来」】

<登壇者>
山崎元氏(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)
・柴山和久氏(ウェルスナビ代表取締役
・虫とり小僧氏(投資ブロガー)
・司会 ASK氏

 

以下、私個人の感想と私の記憶している範囲でのメモ書きです。

 

【第一部】

バンガードの名の由来から始まり、ボーグル氏の生い立ち、数々の名言の紹介がありました。

今井さんからはまず「金融庁の今井です。このたびは世間をお騒がせし、誠に申し訳ございません」との挨拶があり、会場はどっと笑いに包まれました。その後、つみたてNISAの苦労話があり、メジャーではない指数(CRSP)を対象投信に紛れ込ませなんとか強引に押し通したとのことでした。

田村さんは米国・欧州・日本の機関投資家と一般の人々の20年のリターンのグラフを示して説明していましたが、いつもどおりの酔っ払いぶりで呂律が回っておらず、水瀬さんから「巻きで」とのジェスチャーで指示があるも、なかなかお話が進まず…だいぶグダグダでした。(笑) 次回から田村さんは酔いが回る前にお話しをお願いします…

水瀬さんからは2016年にバンガード本社を訪問したときの振り返りを伺いました。広大なキャンパスのようです。今はさらに建物が増えているとのことでした。水瀬さん訪問時は残念ながら存命中だったボーグル氏はバンガード社には不在でしたが、デスクを見ることはできたとのことで、「デスクのとっちらかりぶりに親近感を覚えた」そうです。

 

【第二部】

今年も仮装(コスプレ)が目立ちました。

シオイさんは「I♡二郎」Tシャツ、青井さんは真っ青な富士山、柴崎さんはキャップ、ザリガニさんは夕張メロンの入っていたネットをかぶったうえからドンキで買ったというカニのかぶり物(ザリガニはなかったそう)にメガネで、ザリガニさん以外は皆サングラスをかけており、怪しさ満載でした。

登壇したブロガーさんの年齢は、40,34,32,32とみなさん若手で既婚者です。うちお二人はお子さんがおり、ザリガニさんは新婚さんです。資産や家計はマネーフォワードやマネーツリーなどで管理し、夫婦で情報共有している方もいらっしゃいました。ガラス張りですべて公開している方も。4人とも奥様はあまり投資に興味なし。そんな中でもつみたてNISAをようやく始めてもらった、つみたてNISAは投資に恐怖感を感じていた人でもはじめやすいいい制度では?とのこと。

投資経験は様々。リーマンショック経験あり、一度投資をやめて再開もあり。

インデックス投資のいい点は「銀行口座から自動引落ししての積立と、とにかく手間がかからないところ」と意見一致。(育児は手間がかかる、とも)

ブログは趣味、仕事や生活の合間にやる、自らの振り返りや記録を残すためにやっているなど多少の違いはあれど、みなさん方向性は同じようです。

ブログ運営やツイッターアカウントについて奥様がご存知の方もいれば、知らない(そもそも興味がない)方もあり。

シオイさん:「(投信の)コストは気にしていますが、二郎(ラーメンのカロリー)は気にしません!」

柴崎さん:「自分の投資方針をブログに書いて公開している」

カンさん:「ブロガーの集合知が投資環境を変えてきている」

『時間を味方につけて手間なく2000万円の準備はできる!』

 

第一部で時間が押したためか、第二部はもともとのプログラムでも時間が少なめでしたが、もう少し時間を取っても良かったのではと思いました。

 

【第三部】

コスプレ大会が終了したと思ったら、兄貴(虫とり小僧さん)のTシャツが怖いです…しかも、目のあたりがピクピク動いて(動かして?)いて、怖さ倍増です…

しかも、ステージに登場して筋肉隆々の腕でガッツポーズを決め、このあとステージはリングに変わりプロレス(喧嘩)が始まるかと思われましたが、虫とりさんは控えめでした。

そもそも、"インデックス投資ナイト" なのに、何故ロボアドの "ウェルスナビ" の人が来ているのだろうと疑問でしたが、柴山さんはとても物腰柔らかで、虫とりさんから「柴山さんが爽やか過ぎて全部持ってってますよね」と言われていました。また、対談者の虫とりさん、山崎さんの声に真剣に耳を傾けてひとことも漏らさず聴き取ろうとする柴山さんの姿は印象に残りました。どなたかとは違って(失礼!)、お酒もほとんど飲んでいなかったと思います。

以降、ただのメモになってしまっていますが、覚えている範囲で記載します。

 

柴山さん:アメリカ人の奥様のご両親と自分の(日本人の)ご両親との金融資産に奥様側は投資により富裕層といえる金額になっている一方日本の自分の両親は…とかなり大きな差があったことがきっかけでロボアドのウェルスナビをつくった。インデックス投資を広めたい、自分の両親は恵まれていたがそうでない人もいる。日本では投資への恐怖感が強く投資へ踏み出すためのハードルは高い。物議を醸しだし、ある意味 "炎上商法" ともとれる金融庁の文書は画期的だった。従来、一部を切り取られて真意を曲げられての報道をされないために難解な書き方(表現)がされ、それが通例だったが今回非常にわかりやすい文章だった。だが、一部の「2000万円」のところだけ切り取られてクローズアップされてしまった。意図しなかった炎上商法となったが、それをきっかけに証券口座、iDeCoやつみたてNISAの開設が増えたのは良かった。それでも日本の人口から考えると圧倒的少数。アメリカには(ウェルスナビのような)ネットではない対面サービスの投資アドバイザーサービスがある。対面になるとその分手数料は高いが、妻の両親はそれを使っている。アメリカではそうした何らかの投資をして資産形成するのが普通。自分の両親は恵まれており数千万円の退職金を得て生活に不自由はしていないが投資はしてこなかった。妻の両親との資産額とはかなり開きがある。

 

山崎さん:証券マンが働いていた外資の証券会社の悪い手法(アクティブ、分配型)を真似て、法外に高い手数料の粗悪なアクティブファンドが大量につくられた。証券会社はそれを売って儲ける構造になってしまった。過去10年など過去の一定期間の成績(リターン)の良かったファンドを売りこむ(買わせる)傾向があるが、その後も同じリターンが得られるか未来はわからない。むしろ劣悪化する方が多いのでは。運用するファンドマネージャーの入れ替わりもある。同じリターンを求めるならファンドマネージャーを追うべき。ただ、同じ人でもずっと好成績を出せるとは限らない。

金融庁の「教えて虫とり先生」の記事が消されたときは危ないと思え。

いつもの山崎節炸裂です。手厳しい指摘もありますが、その姿勢は終始一貫しており、話す内容も明解です。自身の服を指さして「よこしまなことを考える証券マンには騙されないように」には笑いました。

 

山崎さんから虫とりさんへ「自分の方針を決めて投信買付をするのは機械的とは言えない。それもアクティブと言えるのではないか」との言葉もあり。

 

今回最も印象的だった場面は、山崎さんと柴山さんの会話で新しいアイデアが生まれる瞬間に立ち会えたこと。インデックス投資ナイトのイベントに参加した甲斐があったというもの。

登壇前に山崎さんと柴山さんはひとことも話さなかったそう。これはシナリオなしの対談でのアイデアだと思われます。

山崎さんの「(少し知識があればできる)インデックス投資に(ロボアドの)手数料を取るのはいかがなものか。どうせ(資産運用を)任せるなら、悪い部分を排除した、家計や資産全体を見る良心的な腹黒くないFPみたいなものがあるといい」に対して、柴山さんが「つくります」と即答。

山崎さんすかさず「そのときは私を雇ってくれますか?これで13回目の転職になるかも…」との言葉に対し柴山さんからは「アドバイザーとして…」とのこと。それをきっかけに山崎さんは「今の投資顧問の肩書きも証券会社の社員では都合が悪いから」と暴露。

 

ウェルスナビの現行手数料は諸々の大人の事情もあるだろうが、とにかく日本の投資環境をなんとかしたい、より良い方向へ舵取りをしてゆきたいという熱意が柴山さんの言葉から感じられました。

 

実行委員のみなさま、今年も楽しい会をありがとうございました!

 

懇親会にも参加し、さらに有志の三次会へも行った記事はこちらです。

cafe-spoon.hatenablog.com